エクサウィザーズ Engineer Blog

株式会社エクサウィザーズのエンジニアチームブログ

いつでも心電図が取れたとして? CES 2019 レポート 3日目

こんにちは。ロボットチーム、ソフトウェアエンジニアの鳥居です。

昨日に引き続き、CES 2019のレポートです。エンジニア視点で面白かったものを紹介します。

ウェアラブルデバイスによる医療データの収集

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バイオメトリックセンサが入った様々なウェアラブルデバイス (Valencell)

医療に関するセッションや医療・健康に関するプロダクトの展示も多数ありました。その中の1つで「ヒアラブル(hearable)」デバイスの話が面白かったので紹介します。

ヒアラブルデバイスはウェアラブルデバイスの1種で、音楽を聴くために身に付けるもののことを指します。ヒアラブルデバイスは肌に直接触れるので、センサーを取り付けることで健康状態に影響する様々な情報を取得することができます。このようなデバイスは年々増えており、また取得されるデータも検査のタイミングだけでなく身につけている限り連続的に取得できるようになると思われます。より質の良いデータを得ることで、医師や患者のコミュニケーションが円滑になったり、患者自身がより自分の身体を知ることが期待されます。一方、データの増加に伴って重要になるのは「必要な情報をいかに絞り込むか」という点ですが、これは今後発展していく分野と考えられています。

ヒアラブルデバイスが特徴的なのは、このようなウェアラブルデバイスの中でも多くの割合を占めていることと、他にも活用の場面があると考えられていることです。耳に埋め込むデバイスはその内側から「本人が喋った声」を抽出することができるので音声入力のデバイスとして使用したり、聞き分けたい音を動的に切り替えるような「Augmented hearing」などの方向性が考えられています。

写真は Valencell という会社がセンサを提供しているウェアラブルデバイスを集めた展示のものです。既に多くの種類のデバイスで自身の健康状態が把握できるようになっています。

オピオイド問題への解決策

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神経痛と対応する脊椎の位置を示す展示 (NANS)

アメリカでは現在、麻薬系鎮痛剤を多量に処方されてしまうことで依存症や過剰摂取による死亡事故が発生しており、この問題はオピオイド問題と呼ばれています。オピオイドは特に慢性の痛みに対して処方されることが多く、オピオイドを使わない方法として神経に電気的な刺激を与えることで慢性の痛みを軽減するアプローチが提案されています。写真は神経痛を抑えるために脊椎のどの位置を刺激すればよいかを表したモデルで、この位置に電気的な刺激を与えるデバイスを埋め込んで薬の代わりに電気刺激で痛みを和らげることができます。アメリカでのみ問題となっていることですが、技術で社会的な問題に挑戦する姿勢は素晴らしいと思います。

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